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「おかあさんは」を主語にして子供をほめる

  • soukou268
  • 2022年3月14日
  • 読了時間: 2分

 この言葉を家内から初めて聞いたときは、すぐには理解できず、ちょっと考えてから「そういうことか」と感心した覚えがあります。

 家内が中学生のとき、農業をしながらパートで会社勤めをしていた母親のことを思って、姉と二人でほうきを持って部屋の掃除をしたそうです。勤めから帰ってきた母親は「おかあさんはうれしいよう」と言ってほめてくれたというのです。家内はとてもうれしかった、と言いました。その時の言葉です。

 子供は男の子も女の子もおかあさんのことが大好きです。おかあさんが喜ぶことをしてほめられたいという強い気持ちがあって行動していきます。おかあさんがどんな風に思うか、ということを常に考えながら行動しているわけです。

 その上で、どんなふうにほめるか、ということですが、「あなたはよくやった」というような子供の反対側に立った言い回しでほめたとしたら、子供はどんなふうに感じるでしょうか? 子供は距離を感じ、一緒に喜びたいのに、何かはぐらかされたような、気持ちになるのではないでしょうか。

 直接、真正面からほめているようですが、「おかあさんから、よくやった、と言ってもらったから自分はうれしい」というのと「おかあさんがうれしいと言ってくれたから、自分もうれしい」とは違います。おかあさんはうれしい、とおかあさんの気持ちを言葉にすることは、おかあさんのうれしい気持ちをそのまま子供に伝えることになります。だから子供は理屈抜きにうれしいのです。

 また、子供の気持ちの面では、よくやったと言われると、今度もうまくやらなければ、という守りの気持ちになりますが、おかあさんはうれしいと言われると、もっとおかあさんを喜ばせよう、というとても前向きな気持ちになって、強いモチベーションになります。

 子供には、どんどん良い方向に向かって進んでいってほしい、と願うのが親だと思います。あまり細かく言わなくても、このほめられたいという気持ちを上手に満たしてあげれば、子供は、進んでいってほしいと願う方向へひとりでに歩んでいきます。子供の生き生きとした、未来に開かれた目を、いつも見ていたいと私は思います。

 斯く言う私も照れてしまって「お父さんはうれしい」とはなかなか言えず、友達的な言い方でほめてみたり、態度や行動でうれしさを示したりしてきた思い出があります。今、塾生の皆さんには、資格を取ったら何か文房具をプレゼントして喜びを形にして示すようにしていますが、ものをもらった以上のうれしさを感じていることははっきりわかります。表現の仕方も様々です。まずは言葉にしてみてはいかがでしょうか。

 
 
 

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